あることを成し遂げ、報われないとする。
それについて、あらゆる感傷を抱くことが許されるのは、自分自身のみである。
それについて、自虐できるのは、自嘲できるのは、文字通り自分のみである。
あることを成し遂げるとは、そういう特権を手にすることである。
努力は、結果に支配される。
しかし、
「成し遂げる」ということは、徹底的な自己満足の内に特権をつかみ取ることである。
報われれば嬉しかろう。
報われなければ悔しかろう。
無念であろうし、やりきれないだろう。
しかしその感想を抱くこと、嘆くこと、自嘲すること、自虐することは、成し遂げた者の特権なのだ。
他の誰も、汚すことの許されない特権であり、そこに「他者」という穢れた存在は侵入できない。
慰めはいらない。感情的に要らないのでなく、許されない。
そこは、「成し遂げた者」の国だ。
他者は失せろ。
特権を汚すな。
成し遂げた者は、存分に暴れるがいい。
自分が成し遂げたことに対して、何をしたって良い。
自分のみに許された特権なのだから。
それに口出しをする他者は、殺してしまえ!
彼らは、自ら進んで生存権を放棄したのだから!
「成し遂げた者」の国に侵入するということ。
他者であることを、生きた人格であることを捨てた無礼講を、死でもって償わせてやれ!
ここは、我々の国だ!